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MESSAGES FOR DEAR UDLAB. MEMBERS

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卒業生の置き手紙 Message From Graduating Students and a Teacher 2017 年 3 月、都市デザイン研究室からは、川田・黒本・越野・砂塚・中井・森下・王の 7 名が修士課程を修了し、また徐さんが博士課程を修了し、 それぞれ都市デザイン研究室を去ることとなりました。また、中島伸助教が東京都市大学へ栄転となりました。研究室に残る学生・先生方へ 向けたメッセージをお届けします。        (編集:M2 黒本・中井・王) 川田さくら (M2)  昨年 4 月に先輩方の置手紙を読んでいたのがつい昨日のことのように感じら れ、いまだに自分の番になったという実感が湧きません。とはいえ、入学当初 に比べてなんと人生が豊かになったのだろうと感じるその変化にこそ、年月の 流れが表れているのかもしれません。  私が研究室生活で一番好きだったのは、人と話す時間です。プロジェクトで は先生方や他のメンバーと、研究室で、現地で、時に日付をまたいで、答えの ない問いに向き合い続けました。また、論文執筆中は同期と半ば寝食を共にし、 対象地である雲南市では、将来の地域のあり方、ひいては国のあり方について 住民の方々と意見を交わしました。その 1 人 1 人から、私が今まで慣れ親しん できた見方や考え方とは異なる豊かな世界が広がっていることを教えていただ きました。また、何事もベースは人対人の関係です。どこまでも泥臭く、誠実 に向き合っていくことの大切さを、自戒も込めて皆さんにお伝えしたいと思い ます。  研究室の活動に全力で打ち込んでもらいたい一方、個々の活動の外側には もっと大きな社会の流れや原理があります。居心地の良い「内」にこもるので はなく、研究室の外、異なる分野の人と接し、私たちが何を大切にし、どんな 社会を目指しているのか伝え働きかけていくことも必要だと感じています。 研究室の益々の発展をお祈りするとともに、またどこかでご一緒できる日を心 から楽しみにしています。ありがとうございました。 (上)高校生 PJ は、彼ら彼女らの人生にわずかでも関わることができて幸せでした▶︎ (下)Khokana では、デザ研としての基礎を森先生に一から教えていただきました▶ 2

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黒本剛史 (M2)  修了を目前にして、小高で、神田で、小田原で、何度も何度も「また来てね」「こ れからも頑張ってね」の声を頂きました。一介の学生に過ぎない自分を、ここ まで気にかけて頂けるとは。また通いたいと思える場所、訪れたい人が沢山で きました。2 年間で交換した名刺を数えると 150 枚に達していました。  学生である自分がたまに都市を訪れて、こうしようと声をあげるのは、よそ ものの自己満足ではないか?専門的な技術を持たない自分に何ができるのか? と悩むこともありました。でも、何度も通った地域から温かい言葉をかけてい ただいた時、これで良かったのだと思えました。同時に、温かさに甘えず、地 域を良くしたい思いを持ち続けなければと身を引き締めています。  この 2 年間、プロジェクトにと修論にと、走り抜けるように過ごしてきまし た。それは全力で打ち込めた表れである反面、立ち止まって考える時間を疎か にしたという反省ももたらしました。今取り組んでいることの意味は?人生で 本当にやりたいことは?視野の外に、都市デザインはどう広がっているのか? と。今プロジェクトと修論を終えて、初めて立ち止まって考えた途端、やり残 したことが沢山湧いてきて、ちゃんと消化できていない経験も多く思い当たり、 もう 1 年もらえたらどんなに素敵だろうと思ってしまいます。1 年前の自分に、 1 日に 5 分でもいいから、振り返る時間を!と伝えておきたいです。  最後になりましたが、一生ものの経験を与えてくれた研究室、先生方、とも に過ごしてくださった皆様、ありがとうございました。 (上)難しい現場に対し、何かできたと初めて思えました▶︎ (下)初めての主担当号は宝物です。マガジンでは好き勝手をさせて頂きました▶ 越野あすか (M2)  大学院の 2 年間は、今までで一番密度の濃い 2 年間でした。自分の興味関心 に従い、地域に入って地元の方々と交流し、まちを深く知る経験は、都市デザ イン研究室だからこそできたことだと思います。忙しくて大変なときもありま したが、自分がやりたいことをやらせてもらい、本当に楽しかったです。研究 室の先生や事務の方々、先輩・後輩、そして同期の皆様のおかげで、本当に楽 しく充実した 2 年間でした。  学部生のときは与えられた課題をこなし、何となく日々が過ぎてしまってい たように思います。その反省もあり、大学院では自分は何をやりたいのか、そ のためには何が必要なのか、それはなぜなのかを考えながら過ごすようにしま した(自由な都市デザイン研究室では必然のことかもしれませんが)。大学院 生という恵まれた身分では、自分の選択に責任を持ってやり切ることで、必ず たくさんのことが得られると思います。私は一つのまちにプロジェクトと修士 論文でどっぷりと漬かり、授業やワークショップ、スクールや旅行などで様々 なまちに触れることで、まちに向き合う姿勢やまちの面白さや奥深さ、自分の 未熟さなど数えきれないほど多くのことを学ぶことが出来ました。修士の皆様 には、自分の選択に責任を持ってやり切ってほしいと思います。 最後になりましたが、ここで得た経験や感じたことを忘れずに、社会人になっ ても頑張りたいと思います。本当にありがとうございました。 ◀︎(上)ビジョン作成風景 ◀︎(下)修論の夜 3

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砂塚大河 (M2)  モンゴルのゲル地区に住むおじさんの言葉が、頭から離れません。「私たち は広大な大地の上でゲルと共に生きてきた。JICA が提案するようなマンショ ン開発には馴染めない。日本の支援はありがたいが、もっとモンゴル人の文化 や価値観を理解してほしい。」国家の外交政策として大きなお金がやりとりさ れるなかで、一番最後の最後の末端の部分で生活や人生が一変するのがゲル地 区に住むあのおじさんなんだと思ったとき、自分がやりたいと思っていたこと や正しいと思っていたことに途端に自信が持てなくなって、不安になりました。 日々の研究室活動でも、ヘクタールという単位とか何千分の一の図面を前にし て、誰のために何のためにやっているのか、何処を目指して取り組んでいるの か、わかってるようで本当はわかってない気がして、焦りました。  修士論文のテーマは、意識の奥底でずっと感じていたそんな不安や焦りへの 反発・抵抗として出てきたものなのだと思います。スケールが大きくなっていっ たときに図面上からいつのまにか見えなくなってしまう都市の中の「ひとり」 という存在から、もう一度都市を見つめる。抽象的だとしても言葉の綾だとし ても、そういう態度をとることではじめて、自分がやりたいことに自信を持て たような気がします。  2 年を振り返ると、頭から離れない言葉がいくつかあります。プロジェクト などを通して出会ったたくさんの「ひとり」の言葉を、これからもずっと離さ ないままで、建築を、都市を、つくっていきたいです。 (上)インターンで訪れたモンゴル・ウランバートルのゲル地区▶︎ (下)都市空間における「ひとり」を身をもって体感する図▶︎ 中井雄太 (M2)  学部時代は設計課題に追われながら都市部での開発に興味を持ち、卒業論文 では都市部の地下歩行空間に関する研究を行いました。しかし卒業論文執筆に 向けた構想段階において、より様々なプロジェクト活動を行える環境を欲する ようになり、都市デザイン研究室へ身を投じることを決意しました。  全く異なる環境に慣れるために半年、プロジェクト活動に取り組む一年、修 士論文の追い込みをする半年とあっという間の二年でしたが、写真やPJ活動 のフォルダを見てみるとそれまでにないほどの活動記録や地方遠征、議論や試 行錯誤の痕跡が残っており、その濃密さを窺い知ることができました。惜しむ らくはもう少し整理を行えば今後により役立つこともあるのではという点です が、それができていないところも自分であると理解し、反省して社会の中でま た新しく自分の糧となるような経験の積み重ねを行っていきたいと思います。 後輩ら修士課程の皆には是非、この非常に濃密かつスピード感のある研究室と いう「プレ社会」において、できるだけ発信と吸収を怠らぬよう一日一日を過 ごしていってほしいと思います。この経験は必ず将来の自分への投資に繋がる といえるでしょう。  最後になりましたが、西村先生を始め各先生方、諸先輩方には大変お世話に なりました。修士論文やプロジェクト活動の議論においても非常に勉強となる ところが大きく、今後も仕事だけでなく都市デザイン研究室OBとして何かで きればと思っております。短い間ではありますが、ありがとうございました。 ◀︎(上)三国PJで行ったマチノニワでのイベント ◀︎(下)旧保線小屋を改修したアート作品に集う住民ら 4

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森下暢彦 (M2)  心から面白いと思えることに打ち込みたいと思い二年前に研究室に入れて頂 きましたが、振り返るといつもひとつのことに精一杯で周りが見えなくなり、 皆様にはご迷惑をおかけしてしまいました。それでも、これだけ苦しくも濃密 な時間を過ごせて本当に楽しかったです。これからも都市を考えたいですし、 心から何とかしたいと思うまちも沢山増えました。  知識も経験も浅く最後まで周りを追いかけていましたが、各々が自分のレベ ルで全力を尽くすことが大切だと思いますし、都市デザイン研究室はそれがで きる環境でした。研究室は周りの皆さんの強烈な熱に触れ自らの熱を高められ る場所で、熱を込めて取り組むことがどれだけ大切で面白いかということを実 感できました。  それから、都市を相手にするということはそれだけ一人ひとりの人生に触れ ることなんだということも、当たり前なことですが、僕にとっては研究室で初 めて心から理解したことでした。常にその重みを忘れず、想像力を鍛えないと いけないと思っています。  研究にしても外での活動にしても、近道も遠回りもなく全て糧になります。 自ら選んだ二年ですから、何にしても一つ一つのことを大切に悔いや迷い、後 ろめたさのないよう過ごすのが大事だと思います。本当に二年は一瞬で、先輩 の「何をやらないか決めるのが大切」という言葉が印象に残っています。  最後になりますが、お世話になった研究室の皆さま、本当にありがとうござ いました。 ◀︎(上)研究室の風景。 ◀︎(下)たくさんのまちを歩きました 王誠凱 (M2)  初めは「剛球豪打」の二年間にしてやろうと密かに意気込んでいたが、終わっ てみればからぶってばかりで三振に倒れた気がしてならない。都市デザイン研 究室全体がエース級のピッチャーで求めればどんなボールも投げてもらえた。 多彩なプロジェクトから真剣勝負の研究室会議まで、さらに優しい先生方と気 の合う仲間たち、加えてくぐり抜け、飲み明かした幾多の夜も苦しくて最高に 楽しかった。修士の二年間はまさに研究室が投げてくれた豪速球のように目の 前で過ぎ去ったわけだが、図々しくもバッターボックスに立ち止まり、もう一 球だけと願う自分がいる。そういう意味でやりきれなかったことが多いと思う。 また、時に逃げるように打席の外側に寄せて立つ自分に対しても、一球一球丁 寧に全力で投げ込んでくる研究室に感謝する。二年間の勉学を通して、得られ たのは決して問題の解き方やソフトの操作などのテクニックだけでなく、都市 デザイン研究室が世の中の問題に対してそれを解決しより良くするための切り 込み方と価値観、謂わば都市デザイン研究室の「投球術」のようなものをしか と見させて頂いた。この貴重な経験は春の新芽のように、静かに自分の中で時 と共に開花するであろうと信じている。  最後に、夏目漱石が言った「熱した舌で平凡な説を述べる」方が私は好きな ので、研究室とそこにいた自分に一言を残したい。空ぶる学生を卒業して、私 は剛球豪打のメジャーリーガーになる!さあ、延長戦の始まりだ! (上)初めて担当したマガジン取材(倉澤さんインタビュー)▶ (下)神田 PJ で子供たちと一緒にかるた作りに挑戦!▶ 5

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徐妍 (D3) Dear Professors, Researchers and Graduates, Happy to meet you here. The day I first arrived in the lab is still vivid in my memory. However, every journey has an end, and it comes now. First, I hope to say; I feel so grateful for being a member of this lab. I have spent 3.5 years from a doctor graduate to a candidate and finally to be a doctor. Each step, I walked on, is coming with so much help from the professors, seniors and friends. Thanks for them. Second, the progress of a PhD was very tough, and I also hesitated several times to give up. I became braver after each hesitation, and my family supported me all the time. When I knew I didn't like research as much as I thought, it was already on the last stage. I have finished it, but the more important thing is to know where I would go. To become a PhD is great progress, and different people would benefit from it in a different way. The last, go straight! Hope you well, and we will meet frequently. (上)ミナトブンカサイ 2012 ( 準備中 ) ▶ (下)修了写真▶ 中島伸 助教 HARMONY という音楽ドキュメンタリー作品で、テニスコーツのさや というアーティストが以下の発言をしています。 「作品が残ったとしても、それの出来上がったプロセスは残らない。作 者の考えはいつも頭の中にあるから。 でも、これが共同制作者がいると残るかもしれない。 たとえ、自分が死んでも、その共同制作者に何かが残って、それが誰 かに伝わっていくかもしれないから。」 研究室もそういう共同制作による行為の成果であり、私たちの態度な のだと思います。さらにいえば、都市そのものも共同制作の成果の積 み重なりだと言えます。だからこそ、見えにくくなった都市空間の意 図を掘り当て、残らないプロセスや計画者・実践者の考えについて思 い巡らし、地域の人々と勇気を持って実践し、これらのことを研究し ているのだと思います。都市デザイン研究室では、11 年間多くのこと を共有させてもらい学ばせてもらいました。これからも続く都市デザ インのプロセスの輪がさらに広がるようにこれからも努めたいと思い ます。 中島伸 6 ▲バンコク研究室旅行での一コマ ▲神田 PJ での一コマ。都市デザイン研究室の多くのプロジェ クトが伸先生に支えられてきました。

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追いコンが開催されました! The Report of Farewell Party on March 23rd. 3/23、恒例の神楽坂ラリアンスにて、追い出 しコンパが開催されました。各 PJ でお世話 になった地域の方からのメッセージを集めた ムービーが、クオリティの高い編集によって 紹介されました。続いて卒業生への記念品贈 呈、卒業生から先生と研究室へのプレゼント 交換を行いました。最後に、修了生と各先生 からのスピーチがありました。会場全体が、 研究室で共に過ごした時間を感慨深く振り返 る時間となりました。(M2・黒本) ▲修了する M2 には、花束とオリジナルトートバッグ、 思い出の写真を背景に配した色紙が贈られました ジ◀ た博▶ が先 中士ま 贈生 島課ち ら方 助程づ れか 教をく まら に修り し、 記了大 た修 念す学 。了 品る院 生 が徐を に 贈さ修 向 らん了 け れ、す て ま栄る メ し転道 ッ たと祖 セ なさ ー っん 、 ▲ M2 からは、リラクゼーションをテーマに マッサージチェアとアロマ加湿器を贈呈 次 年 ▶︎次 度期 編集後記 黒本剛史 へマ のガ 神田 PJ のメンバーと多町の老舗居酒屋で飲み、学生最後の 抱ジ 負ン イベントが終わりました。自立できる喜びと、不安と、2 年 を 編 間過ごした研究室への名残惜しさで、複雑な気分です。 語集 る 長 1 年前の追いコンで、突然編集長としての命を受け、右も左 Mに 指 もわからないままに模索してきました。今思えば反省は多い 1松 名 田さ わけですが、充実したマガジン生活を、恵まれた仲間たちと れ ともに送ってこられました。ものを分かりやすく伝えようと したこの経験を生かしていきたいと思います。来年度も、松 田編集長が率いるマガジンをよろしくお願いします。 Column:M2 卒業旅行記! 今年度卒業した M2 は、卒業旅行の多い代といえるかもしれません。おもに都市デザイン研究室  メンバーで構成された 4 つの旅行先から、現地レポートです。 2/17-19 2/2-6 修了生 6 名で北海道へスキーに。夕張の素晴らしいパウ ダースノーを堪能したのち、港町・小樽へ。「雪あかりの 路」が開催される中、スナック街となって華やかさを保 つ花街や、運河沿いに整備された歩道や改修活用された 大型倉庫を回りました。(M2・黒本)   夕 張 ・ 小 樽 高台にある「水天宮」から緩や かに傾斜する花街を眺める 講義「都市保全計画」にも登場 した小樽運河で集合写真 2 月 17 ~ 19 日、越野・濱田・森下・川田で山陰を旅 しました。鳥取では米子の街をあるき、境港に立ち寄り ました。島根では松江を満喫し、最終日は出雲大社参拝   後、少し足を延ばして雲南市の菅谷たたらを見学しまし た。(M2・川田) 山 陰 出雲市の 旧大社駅にて 菅谷たたらでは、地形や自然環 境への深い理解に基づく空間の 使い方に一同感動しました 3/12-21 3/2-6 三国PJのメンバーで、水辺での生活が息づく町、伊根 を訪れ舟屋に宿を置き人や船の往来を眺めてきました。 舟屋と母屋には新たな用途が吹き込まれつつあり、道路 拡幅、防潮堤補強以外は往時のままの外観を残す姿に魅 了された旅でした。(M2・中井)   伊   歴史的な町並みと溢れる情熱に包まれる国・キューバへ。 世界遺産であるオールド・ハバナ(ハバナ旧市街)はカ リブ海最強とも言われていた四つの要塞に囲まれ、スペ イン入植時代に作られたコロニアル建築が立ち並んでい ます。(M2・王) 根キ ュ ー バ 朝焼けに燃ゆる舟屋群。それぞ れに意匠やスケールの違いが見 える。 船タクシーの船長にて教えても らった、行政主導で新築された 舟屋。 旧市街にあるガルシア・ロルカ 劇場、夜の姿はまさに幻想的 葉巻とコーヒー豆の生産地で、 雄大な自然に囲まれているビニ ャーレス地方。 7

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